こんビアー、中の人です。2月もあっという間に過ぎ去っていきますね。
さて突然ですが...ビールとウィスキーの原料は基本同じなのです!!!
当たり前と思われる方も少なくないかもしれませんが、考えたことすらなかった方も多いのではないでしょうか。
何を隠そうビールもウィスキーも「麦芽」という大麦を発芽させたものが主原料となっているお酒です。今回は中の人が先日訪れた新興ウィスキー蒸留所を覗き見ながら同じ原料から造られるビールとウィスキーの違いをご紹介しようと思います。
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今回訪れたのは本州と淡路島をつなぐ明石海峡大橋のふもとに位置する海峡蒸留所。海外では大人気の「明石鯛」という清酒を造る明石酒類醸造が海外からの資金援助も受け2017年から運営している蒸留所です。

↑2つの蒸留器(ポットスチル)
そう、まず一番大きなビールとウィスキーの違いは【醸造酒】か【蒸留酒】かという点。
麦芽から糖分を抽出し発酵させて出来上がりのビールとは違い、ウィスキーは麦芽から糖分を抽出後発酵させた「ビールのようなお酒(もろみ)」をポットスチルで蒸留し度数を高め、その後樽で数年間~何十年寝かせて完成となります。
では「ビールのようなお酒(もろみ)」と「ビール」って何が違うのでしょうか...?
まず、麦芽から糖分を抽出する工程は基本的に同じです。

この釜には一度に700kgもの麦芽を投入します。
このようなマッシュタンといわれる釜に粉砕した麦芽とお湯を入れて混ぜ、麦芽のお粥をつくり糖分を抽出していきます。
ウィスキーの場合、この工程ではできるだけたくさんの糖分を抽出することに重きが置かれますが、ビールでは糖分を多く抽出しながらも渋みなどに繋がるタンニンなどをできるだけ抽出しないように気をつけながら作業が進みます。
これは蒸留という大概のオフフレーバー(嫌な味や香り)は除去できる工程を挟むウィスキーと、糖分を抽出した液体(麦汁)を発酵させてそのまま飲むビールの違いです。

↑積まれた麦芽。1袋あたり約25kg
次にビールもウィスキーも先ほどの麦芽のお粥を濾し、液体だけにします(麦汁)。ビールでは麦汁を煮沸し、そこに苦味や香りの元となるホップを投入し、冷却後発酵に移っていきますが、ウィスキーでは麦汁にホップを投入したり、煮沸を行ったりせず発酵に進みます。

↑ステンレスタンクで発酵中の麦汁
ウィスキーの麦汁は煮沸しているビールの麦汁に比べて微生物の量が多く、メインで行われるアルコール発酵だけでなく、乳酸発酵などのビールでは通常行われない発酵も行われるのが特徴です。

麦汁の発酵には木製のタンクが使われることもあります。
そして発酵後にできあがるのがビールの場合は完成品の「ビール」、ウィスキーの場合は「もろみ」になります。中の人はウィスキーのもろみを実際に飲んだことはありませんが、海外の蒸留所の方が「ホップの入っていないまずいビール」と形容されていました。
ウィスキーはその後「蒸留」という工程に移っていきます。もろみのアルコール分は約7%。それを海峡蒸留所では2回蒸留し70度以上までアルコール度数を高めていきます。

↑初留用のポットスチル(冒頭の画像右側)

↑再留用の小さ目なポットスチル(冒頭の写真左側)

↑蒸留された液体をチェックするボックス
2回蒸留されてできる70度以上のお酒(ニューポット)は通常加水され65度前後で木樽に詰められます。
700kgの麦芽からできた3000L以上のもろみが最終的には400L前後にまで減り、下記の樽、2樽分となります。


工場見学の最後にはお約束のテイスティング!
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海峡蒸留所ではコロナウイルスの影響で当初の予定よりウィスキーの生産開始が遅れ、シングルモルトの製品が出るのはまだ数年先のようですが発売された暁には絶対飲んでみたい!と思わせてくれる楽しい工場見学となりました。
読者の方にはビールとウィスキーの似ているところや違いへの理解が深まり、今日からのアルコールライフがさらに充実したものになれば幸いです!
それではまた。Good day everyone, 乾杯!!
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