ツウに刺さるBEERな小話!ビアマップスセミナー第2弾:「麦芽編」
2024年1月20日
こんにちは、中の人です!

さて表題の通り、前回の「ホップ編」に続き、ビアマップスBEERセミナー第2弾ということで、今回は「麦芽編」を執筆してみることにしました。お時間ある時にぜひ一読ください!
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まず、皆さんは「麦芽」って何かご存じですか??
読んで字のごとく、”麦”が”芽”を出したものなのですが、それじゃ何かわからないですよね...

そもそもビール造りにおける麦芽の麦は基本的に【大麦】のことを指します。
私たちの生活には小麦の方が身近ですが、実は大麦主体のお酒となっているのがビールなのです。

そして早速ですが、こちらが発芽した大麦の様子です。
モンタナ州立大学ウェブサイトより引用

ここまでは皆さんが想像する通り、収穫した大麦を水に浸した後、温度管理を行うことで根が生えてきます。ただ、このまま置いておくと成長し続けてしまうため、この段階で熱を通して成長を止めると「麦芽」のできあがりです。

上の写真は実験のため、後ろに写っている大麦の量も多くないですが、実際は次の写真のように一度に大量に製造されています。
SIMPSONS MALTウェブサイトより引用 

そして出来上がった麦芽がコチラ!
実は生えてきていた根は乾燥の工程で取れてしまうので「麦芽化していない大麦」と「大麦麦芽」を見た目で見分けるのはかなり難しいんです。

さて、ここで一つの疑問が...なぜそもそも麦芽にするのでしょうか??

この疑問に対する答えは実はとても単純です。
「酵素」という物質を大麦の中に生み出すため。

それはどういうことかというと・・・
皆さんはもともと甘くないはずのお米が口の中で噛んでいたら甘くなってきたという経験をしたことがありますか?

これは唾液の中にある「酵素」がお米の主成分であるデンプンを人間の舌で甘く感じる糖に分解しているからです。この酵素の作用などによってお米を分解できるおかげで私たちはお米を栄養として身体に吸収できています。

麦も主成分はデンプンでもともと甘くはありません。
ただ、ビールを造るうえではそのデンプンをどうにか分解して甘い麦汁(発酵前のビール)を造る必要があります。もちろん酵素が入っている唾液を入れるわけにはいかないので、どこからか酵素を持ってこなければいけません。

これがまさしく大麦を麦芽化する理由です。
ビール醸造家は麦芽にすることによって生まれた酵素を使いその大麦中のデンプンを分解して甘い麦汁を造っています。

キリンビールの工場見学に行かれたりしたことがある方はわかるかもしれませんが、この麦汁本当にめちゃくちゃ甘いです(笑)

さて、話は変わりまして、皆さんに質問です。
「ビールには黄色から白っぽいもの、茶色から黒まで様々なものがありますが、この色はどうやって決まるか知っていますか?」

▶ビールの色は実は麦芽の色で決まっているのです。(フルーツ等は例外ですが...)
そしてそのビールの色を決める麦芽の色というのは発芽後の乾燥(焙燥)や焙煎の度合いで色が決まります。

先ほどの出来上がった麦芽としてお見せした写真のものはピルスナーモルトと言って、一番標準的な色のものです。これを100%使用してビールを造るといわゆる黄色のビールが出来上がります。

ただ、実際は単一の麦芽を100%使うことは少なく、ピルスナーモルトのような標準的なモルトをベースに数種類ブレンドして使われることがほとんどです。
これはわかりにくいですが、実はビールが赤っぽい色になるように焙燥されたモルトです。

そしてもっと濃くなるとわかりやすくこんな感じに。
麦芽の袋を開けただけでも濃いキャラメルのような香りのする芳醇なモルト。

そしてさらに焦がすと・・・
これはチョコレートモルトと言って、スタウトなどの黒ビールに使われます。※チョコは入っていません(笑)

そしてここまで散々ビールに使うのは大麦と言ってきましたが、実は他の麦を使うこともよくあるんです。
見た目も大麦麦芽とは全く違う小麦麦芽。ドイツのバイツェンというスタイルのビールでは麦芽の50%以上にこの小麦を使います。

そしてこれがわかる人はかなりの博識!
これ何の麦芽かわかりますか...?

実はこれは燕麦、またの名をオーツ麦の麦芽なんです。身近なところでいうとオートミールはオーツ麦を平らにつぶしたものです。大人気のヘイジーIPAではよく小麦と共に使われることが多いものとなっています。

ブルワリーによっては使われている麦芽の種類を書いてくれているところもあるので次回から確認してみてくださいね!
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第2弾の麦芽編はいかがでしたでしょうか?


そろそろ長くなってきたので今回はこのへんで!次は何の題材にしようかな...

ではではまたお会いしましょう!
Good day everyone, 乾杯!!  

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