どうも中の人(醸造マン)です!前回の「酵母」編も好評の声をたくさんいただきありがとうございます!
今回のビアマップスセミナー第4弾のテーマは方向性を少し変えた「容器」編!原料編とは打って変わって変わったテーマですがぜひご一読ください。
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さて、みなさんビールの容器と言えば何を最初に思い浮かべますか?いろんな種類をがあがると思いますが、中の人の場合は一番目にするのは缶でしょうか。

まず最初に紹介するのはそんなメジャーな
「アルミ缶」。
基本的には350mと500mlのサイズがあるのはこのブログを読んでいる皆さんだったらよくご存じかと思います。
大手各社のビールはかなり前から缶がありますが、クラフトビールが缶主体になったのは実はついここ数年の話。瓶に比べると省スペースで軽く、遮光もでき、ラベルデザインもしやすいので瓶商品を展開していた日本のクラフトビール会社もどんどんと缶に移行しています。
メリットばかりに思える缶ですが実は大変なのは缶詰めの工程....飲み終わった後の缶を捨てるときにつぶしたことのある方ならわかると思いますが、とってもへこみやすいし繊細なんです。醸造マンもクラフトビールの缶詰めに経験したことがあるのですが、ビールを詰める前の缶がへこんでしまって廃棄することもしばしば...
また、アルミ缶は胴体と蓋にわかれているパーツを機械で巻き締めして封をするのですが、ガラス瓶の栓をする王冠とは違ってかなり細かい調整が必要になるのでそういった意味でも作り手泣かせなパッケージとなっています。
ヤッホーブルーイングより引用サイズでいうとクラフトビールの本場アメリカでは16oz、いわゆる約473mlのUSパイント缶が主流です。中には19.2oz(568ml)のUKパイント缶なんてのもあります。

↑比較がないのでわかりにくいですが、すべて19.2oz缶。結構大きいです。
日本のクラフトビールは大手ビールメーカーと同じ350mlか500mlが主流です。
あ!あと缶ビールは金属の味がするという方がたまにいますが、内側はコーティングされているので中の液体がアルミに触れることはありません。缶の口の切り口や外側は確かにアルミですが、それが気になるという方はぜひグラスに注いで飲んでみてください。(特にクラフトビール!)
さて、次に紹介するのは
「ガラス瓶」
こちらは人類がアルミ缶を使い始めるさらに前からずっと使われている容器です。居酒屋等では好んで瓶ビールを飲まれている方も多いと思います。中の人も居酒屋では生ではなく瓶ビール派です。理由は後ほど...
ワインや日本酒は今も瓶ですし、クラフトビールも国産だと瓶のものもまだまだ多いです。
ただ、先ほどの缶の時に比べたように瓶は重く、箱に詰めた時のデッドスペースも多いのでどうしても送料等のコストがかさんでしまうのがデメリットです。他には光を通すので、日光などで中身が劣化してしまうというリスクもあります。茶色の瓶は透明のものに比べると光は通さないのですが、それでも全く光を通さないアルミ缶と比べると大きな差です。
国産クラフト瓶ビールのサイズは330mlがほとんどですが、大手ビールメーカーだと主流は中瓶と呼ばれている500ml、あとは珍しくなりつつありますが633mlの大瓶や334mlの小瓶などもあります。その他でいうとワインはほとんどが750ml、日本酒は4合瓶の720mlや1升瓶の1800mlなどお酒によって違うのも面白いですね。

↑さまざまな形やサイズがあるビール瓶
3つ目の紹介は少し大きくなって
「ビール樽」!
個人ではなかなか目にすることが少ないですが飲食店の裏側では大活躍しています!大手ビールは5、7、10、15、19Lなど各社様々なサイズで展開。国産クラフトビールでは主に10Lと15Lですが、たまに20Lのものもあります。
スケールの大きいアメリカでは20Lと50Lがほとんど。50L樽になると総重量は約60kgになるのでただ運ぶのも危険が伴う作業になります。日本で主流の15L樽も50Lのものに比べるとかなり小さいですが総重量は20kgにもなるので何十個も移動させるときは腰に気を使いながら慎重に...腰はブルワーにとって一番大事といっても過言ではない体の一部です。
ビール樽の素材はその昔は木でしたが、今はステンレスがほとんど。使い終わった樽は洗浄してまた新たにビールを詰めて出荷するというリターナブルの方式で運用されています。

↑クラフトビールではよく見かける15Lのステンレス樽
ただ最近はプラスチック製のものも登場してきました。こちらはステンレスのものとは違い使い捨て方式。醸造所にとっては回収や洗浄の手間もなく、ビアバーにとっても返送の手間がないので重宝されています。とはいえ、ここ数年の世界情勢によってプラスチック樽の価格もどんどん値上がりしているので、醸造所も難しい選択を迫られているのが現状です。

↑使い捨ての15Lプラスチック樽
最後に番外編として紹介するのは
「ペットボトル」!
皆さんはビアバーではない居酒屋等で瓶でも缶でもないクラフトビールが4種類ぐらい置いてあるのを見たことはありませんか?それのほとんどはキリンビールが提供しているタップマルシェという小型のクラフトビール用サーバーです。(※キリンビールが発売しているスプリングバレーがクラフトビールか否かという議論に関しては中の人も言いたいことはあるのですがまたの機会にします...)実はあれはクラフトビールの専門店ではない飲食店でのクラフトビール提供のハードルが下がるようにある工夫がなされています。それが実はペットボトル。
ステンレスのビール樽ではなく、3Lのペットボトルを専用のサーバーにセットしてビールが提供できるようになっています。通常のビール樽と小さくても5Lですが、それよりさらに小さいサイズにすることで様々な銘柄のクラフトビールを提供できるように工夫されているのがタップマルシェです。宣伝みたいになってしましたが、ペットボトルに入ったビールが意外と身近にもあるんだよといった紹介でした。ちなみにヨーロッパの一部国などではスーパーで普通にペットボトルに入ったビールを買うこともできるんですよ。
さて話も長くなってきたのでここらへんで終わりにしようと思います。次回のセミナーもお楽しみに~!
Good day everyone, 乾杯!!
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